仕手株の売り逃げ
最後は売り逃げです。投機家は十分に利益が出る時点を見計らって株を一気に売ります。そのタイミングは比較的早い段階で行われることが多いようで、その後しばらくは一般投資家が売買を続けるはめになり、誰かが「高値つかみ」をして大損をするわけです。
他にも空売りを仕掛けてきた投資家が耐え切れなくなって買い戻すタイミングで売り逃げする場合もあるようです。
こうして一般的には、仕手に使われた株価は結局急落して、仕手戦の１クールが終了します。こうなると、今度は極端に出来高の少ない状態となり、「高値つかみ」をしてしまった仕手の犠牲者は、売ることができない「塩漬け」に陥ります。
ひどい場合はあまりの急落に耐え切れずに、「損切り」を余儀なくされてしまいます。時にはリバウンドといって、大きな出来高をともなって急落した仕手株の出来高が減って下げ渋ったタイミング、再びその株に買い仕掛けをすることがあります。
これは先に高値を抜こうという期待感を持たせることで再び株価が上昇する場合があり、そこで残っている株を何とか売ろうとするわけです。
しかしいずれにしても仕手株は再度急落するので、誰かが大きな損害を出すのは変わりません。
こうした仕手株を操作する仕手組織ですが、大小さまざまなグループがあるようで、そのやり方も千差万別です。個人投資家のスタンスでは、こうした兆候を察知することと、間違っても変な欲にかられない事が大切で、彼らの手にかからないよう強く意識してください。